つぶやき その3

 2021年になりました。いつもと違う新年の迎え方でしたが、皆さんはいかがお過ごしでしたでしょうか?


 さて、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)により医療現場の状況は厳しい状態になっています。私たちの勤務する大学にも、厚生労働省から逼迫する医療現場への派遣要請もきました。文部科学省からも、学事を優先しながら、可能であれば無理のない範囲で協力をしてほしいという通知がきました。ある報道番組では、附属病院へ大学教員が派遣され、支援していることが報道されていました。また看護学生の厳しい現状なども朝の番組で放映されたようです。


私たちができることは何かを考えています。
 

 年末に開催予定としていた研修会は残念ながら中止いたしました。そこで、できる形で現場の看護師さんたちの支援をしたいと考えています。
 遠隔での研修の企画なども今後進めて行く予定です。遠隔での研修には限界もありますが、もし、遠隔での研修をご希望される施設があれば、ぜひともお知らせください。

海外のCOVID-19に関する論文をいくつか紹介します。

SARS-CoV-2, SARS-CoV, and MERS-CoV viral load dynamics, duration of virals hedding, and infectiousness: a systematic review and meta-analysis
 COVID-19による排菌への注意期間について述べられています。
上気道感染、下気道感染、排泄物(便等)による感染で、20日間程度気を付ける必要がありるようです。

Physical distancing interventions and incidence of coronavirus disease 2019: natural experiment in 149 countries
COVID-19のphysical distencing における効果の評価が待望のBMJから出ました。
Incidence rate ratios (罹患率:新たな感染率)を使って149の国々で比較評価をしています。実データを使用して、介入を分析しています(タイムシリーズが使用されています)

つぶやき その2

 皆さんは聴診器を使いこなせていますか?

 ウィリアム・オスラーは「あなたが観察し学ばなければならないことは、自分の目で見聞き、そして心で感じること」と述べています。

 訪問看護の現場で、医療機器を使うことは困難です。しかし、フィジカルイグザミネーションは、簡単な道具でいつでもどこでも情報収集が可能となります。中でも聴診器は多くの看護師が必ず使用している道具ではないでしょうか。

今回は、その聴診器について、つぶやきです。

 紀元前380年、ヒポクラテスは、患者の胸に直接耳をあて、体の音を聞き、健康かどうかを判断したと言われています。「人の健康状態によって身体の中の音に少し違いがある」ということに気がついていたのです。その後長い期間、医師は患者の胸に耳を当てて、情報を集めいていました。19世紀に入り、ルネ・ラエンネックは女性患者が、医師が胸に耳を当てることを恥ずかしく思っていることを知り、聴診器の原型となるものを開発しました。これが、聴診器の始まりです。紀元前から19世紀までの長い時間、聴診器がなく、直接胸に耳を当てていたという事実を知り、今の時代に生まれてよかったと考えるのは私だけでしょうか。最初の聴診器は、筒状の簡単な仕様でした。日本には1848年にオットー・モーニッケ(出島商館医・自然科学調査官)が、オランダ通詞の吉雄圭斎に与えたものが日本初の聴診器だといわれています。1851年には現在の聴診器と近い形のY型チューブの両耳型聴診器が発明されました。現在では、録音機能を備えた電子聴診器などもあり、進化しています。私が臨床で看護師をしていた頃は、よく医師に、「聴診器はアクセサリーではない!ちゃんと使いこなしなさい」と言われたものです。訪問看護において、聴診器を療養者さんに使うだけでも、安心される場合もあるようです。聴診器を使いこなすことで、より良い情報を収集することができます。是非とも使いこなしたいものですね。

「フローレンス・ナイチンゲールと感染症」

 テレビをつけると新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のニュースが毎日のように報道されています。これを書いている今日は本来なら、東京オリンピックの開会式がテレビで実況中継されていたのでしょう。大変な時代がやってきたものです。

 学生は試験終了後、夏休みを楽しみにしていたことでしょう。もしかしたら、短期留学を計画していた学生もいるでしょう。長期休暇中にアルバイトをしようと思っていた学生もいることかと思います。特に大学1年生にとっては、大学生として初めての夏休みなのです。それがアルバイトの自粛・感染拡大地域への移動の自粛など「自粛」という言葉が合言葉のように「新しい生活」をしなくてはいけなくなりました。学生時代に様々なことを経験して、感性を磨いて欲しいと思っていますが、残念です。ちなみに小学生の夏の風物詩のような「ラジオ体操」も今年は取りやめになっています。

 今年はフローレンス・ナイチンゲールの生誕200年という記念すべき年です。ナイチンゲールは「感染は防止できる」と述べています。自然治癒力に働きかけることや、環境を整えることの大切さを看護覚書で伝えています。もしかしたら、ナイチンゲールが看護の本質を再度確認しましょうと、警鐘を鳴らしているのかもしれません。

 地域・在宅において生活する療養者さんの看護を提供する訪問看護師の皆さんにとっても、日頃から大切にしているケアの意味を再確認することができるかもしれません。もう一度看護覚書を読んでみてはいかがでしょうか。

ナイチンゲール博物館(ロンドン)に展示されているランプ