「フローレンス・ナイチンゲールと感染症」

 テレビをつけると新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のニュースが毎日のように報道されています。これを書いている今日は本来なら、東京オリンピックの開会式がテレビで実況中継されていたのでしょう。大変な時代がやってきたものです。

 学生は試験終了後、夏休みを楽しみにしていたことでしょう。もしかしたら、短期留学を計画していた学生もいるでしょう。長期休暇中にアルバイトをしようと思っていた学生もいることかと思います。特に大学1年生にとっては、大学生として初めての夏休みなのです。それがアルバイトの自粛・感染拡大地域への移動の自粛など「自粛」という言葉が合言葉のように「新しい生活」をしなくてはいけなくなりました。学生時代に様々なことを経験して、感性を磨いて欲しいと思っていますが、残念です。ちなみに小学生の夏の風物詩のような「ラジオ体操」も今年は取りやめになっています。

 今年はフローレンス・ナイチンゲールの生誕200年という記念すべき年です。ナイチンゲールは「感染は防止できる」と述べています。自然治癒力に働きかけることや、環境を整えることの大切さを看護覚書で伝えています。もしかしたら、ナイチンゲールが看護の本質を再度確認しましょうと、警鐘を鳴らしているのかもしれません。

 地域・在宅において生活する療養者さんの看護を提供する訪問看護師の皆さんにとっても、日頃から大切にしているケアの意味を再確認することができるかもしれません。もう一度看護覚書を読んでみてはいかがでしょうか。

ナイチンゲール博物館(ロンドン)に展示されているランプ