訪問看護師さんが心不全のある療養者さんの在宅看護場面で必要と考える情報とアプリケーションについて、調査をしました。
その結果を、論文としてまとめ、現在投稿中です。調査結果の概要は以下のとおりです。論文として採択されましたら、あらためて報告いたします。
我が国の超高齢化に伴い,地域包括ケアシステム構築と訪問看護の拡充が喫緊の課題となっている.特に,増加が予測される心不全患者に対する訪問看護師の役割は大きいが,人材不足や高齢者療養者への対応におけるアセスメント能力の課題が指摘されている.そこで本研究は,訪問看護師が心不全のある療養者の在宅看護時に必要と考える過去の情報やアプリケーションを明らかにし,遠隔での支援の可能性を検討することを目的とした.A県内の訪問看護ステーション276施設を対象にWEB調査を実施し,34人から回答を得た.訪問看護師は経験年数が長いにもかかわらず,アセスメントに不安を抱える者が多く,特に「現病歴」「既往歴」「服薬情報」などを訪問中に即座に確認できる文字情報を求めており,「呼吸音や心音の異常判断」「副作用の確認」などのデジタル支援ツールも強く要望されていた.さらに,迅速な判断を支援するための外部デバイスや動画報告機能の必要性も明らかとなった.これらの結果から,訪問看護師の不安軽減と情報提供方法の充実,デジタル支援ツールの導入が,質の高い訪問看護の実現に寄与すると考えられる.